VerraのARR方法論のアップデート・Gold Standardの新しいSOCモジュール

2025年06月 Methodology Updates (2/n)

VerraのARR方法論のアップデート・Gold Standardの新しいSOCモジュール

株式会社sustainacraftのニュースレターです。

Methodology Updatesは、炭素・生物多様性クレジットの方法論を扱うシリーズです。本記事では2点のアップデートを扱います。一つは2025年5月に発表されたVerraのARR(Afforestation, Reforestation, and Revegetation)方法論であるVM0047 v1.1へのマイナーアップデートについて、その主要な変更点と影響を解説します。今回の改訂では、特に既存植生の再生を促すタイプのプロジェクト(Assisted Natural Regeneration)を明確に対象とした変更が加えられた点が特徴です。もう一点は、Gold Standardが新しく公開したSOC方法論のモジュール(果樹園のバイオマス残渣を散布することによるSOC増加)について紹介します。

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Verra ARR方法論VM0047のアップデート

<出典>

Verraは2025年5月、ARRプロジェクトのための主要な方法論の一つであるVM0047のマイナーアップデート版(v1.1)を公開しました。この改訂は、プロジェクトの適用範囲を拡大し、モニタリングの柔軟性を高めることで、より多くのARRプロジェクトの組成を促すことを目的としています。VM0047については過去のニュースレターでも紹介していますので、合わせてご覧ください。

Monthly Methodology Updates(10月)
株式会社sustainacraftのニュースレターです。今回はMonthly Methodology Updatesとして、主に2023年10月に発表されたVCSの方法論に関するニュースを中心にお届けします。

今回の改訂では、特に劣化した森林の回復や小規模な植林プロジェクトへの対応力が強化されました。以下では、主要な4つの変更点について、変更前後の内容とデベロッパーへの影響を解説します。

1. 既存森林における自然回復(ANR)活動の許容

  • 変更前 (v1.0):方法論の適用条件では、既存の森林がある土地でのプロジェクト活動は限定的でした。Area-basedアプローチを取る場合は、1ha以上の連続した森林被覆を生成する必要があり、既存の樹木が多い場所での活動の解釈が不明瞭でした。また、Census-basedアプローチを取る場合は、明確にANR(Assisted Natural Regeneration)タイプの活動は禁止されており、直接的な植林のみが対象となっていました (Area-based、Census-basedについては下のセクション参照)。
  • 変更後 (v1.1):既存の森林がある土地でもANRのようなプロジェクト活動を実施できるようになりました。ただし、プロジェクト開始前の10年間に当該森林が木材製品のために管理されておらず、木材製品のための伐採も行われていないことが条件となります。
  • 影響:この変更は劣化した森林の回復を目指すプロジェクトにとって追い風となります。純粋な新規植林だけでなく、既存の生態系を活用し、その回復を促進するタイプのプロジェクト(例:侵略的外来種の除去、土壌改良による自然再生の補助)もクレジット創出の対象となり得ます。これにより、デベロッパーはより多様な土地でARRプロジェクトを計画できるようになり、生物多様性の保全にも貢献する質の高い森林再生プロジェクトの組成が期待されます。

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GX/ETSに向けた炭素クレジット
最新動向 解説セミナー ~COP30やGX/ETS制度設計、そのほか関連イニシアティブを踏まえた最新動向~

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ウェビナー GX/ETSに向けた炭素クレジット 最新動向 解説セミナー COP30やGX/ETS制度設計、そのほか関連イニシアティブを踏まえた最新動向 参加登録する 概要 2025年11月にブラジルで開催されたCOP30も含め、パリ協定第6条(国際炭素市場メカニズム)やJCM(二国間クレジット制度)を取り巻く環境は大きく動いています。 また、日本国内でもGX-ETS(排出量取引制度)の本格稼働に向けた制度設計が進んでおり、炭素クレジットの活用戦略は企業にとって重要な経営課題となっています。 本セミナーでは、環境省JCM推進室より髙橋室長補佐をお招きし、COP30の成果やパリ協定第6条関連の最新動向、JCMの進捗状況について解説いただきます。 また、サステナクラフトからは、JCMでのクレジット供給が期待されている中で、各国での6条関連の動きも踏まえた各国のJCMポテンシャルやボトルネックの分析についてお話しします。 加えて、SBTiの新たな企業ネットゼロ基準(Version 2)の2回目のパブコメの内容などもお伝えしたいと思います。

By sustainacraft