PeruのREDD+プロジェクト(VCS 985)に対する批判記事についての初期的な見解

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PeruのREDD+プロジェクト(VCS 985)に対する批判記事についての初期的な見解

今回は、先日(3/31)のペルーのREDD+のプロジェクトに対する批判記事(link)についての内容と、それに対する当社の初期的な見解を記載します。

先日のGuardianの記事ほどは話題になってはいませんが、プロジェクトの規模も大きく、すでにリタイアメントされている量も大きいため、速報としてお伝えします。なお、Guardian記事については以下で取り扱っておりますので、まだ参照されていなければこちらもご一読いただければ幸いです。

森林クレジットに関するGuardian記事について
株式会社sustainacraftの第10回Newsletterです。 Guardianが先日、Verraが発行する森林クレジットの90%以上は価値がないとする以下の記事を出し、業界では非常に大きな話題となっています(これに対してVerra自身も反論をしています)。 Revealed: more than 90% of rainforest carbon offsets by biggest provider are worthless, analysis shows Only a handful of Verra’s rainforest projects showed evidence of deforestation reductions, according to two studies, with further analysis indicating that 94% of the credits had no benefit to the climate.

ペルーのCordillera Azul National Park REDD+プロジェクト(レジストリーのリンク)は、プロジェクトエリアの面積が約135万Ha、年間の排出削減量 (Emission Reduction)が150万 t-CO2を超える大きなプロジェクトです。2008年の開始以降、既に約2800万クレジットが発行されています。

しかし、上リンクの記事では、本プロジェクトに実質的な森林保護効果がなく、クレジットは過大に発行されている可能性があると批判しています。具体的には以下の点を指摘しています:

  • プロジェクトが森林減少を抑止することに失敗している

    • 巨大なプロジェクトエリア内で起きた森林減少のうち、1/3以上がプロジェクトリアの境界付近で起きているが、それは交通のアクセスが良くかつ材木の価値が高いエリアである

    • プロジェクトエリアの内外で森林減少率の増加が変わっていない

  • 参照エリアに関する想定が恣意的

    • 参照エリアの農地利用に適した地形的性質を誇張することで、森林伐採のリスクの高さを謳っている

    • 将来の人口増加を過大に見積もっている

一方で、プロジェクト運営者やVerraの関係者は以下のように反論しています:

  • Cordillera Azul国立公園は2001年に国立公園に指定されて以降法的に守られているが、ペルーのような国では国立公園に指定するだけでは森林伐採の抑止力として不十分である。
  • 国際的な寄付を集めるのが難しいこともあり、国立公園を運営するためのコストのうち約90%をカーボンクレジットの収益で賄っている。
  • 参照エリアの選定については科学的なpeer-reviewのプロセスを経ており、プロジェクト設計時での最適な選択をしている。

ここからは、この記事での2つの批判を細かくみていきつつ、この記事に対しての当社としての初期的な見解を述べたいと思います。

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ウェビナー GX/ETSに向けた炭素クレジット 最新動向 解説セミナー COP30やGX/ETS制度設計、そのほか関連イニシアティブを踏まえた最新動向 参加登録する 概要 2025年11月にブラジルで開催されたCOP30も含め、パリ協定第6条(国際炭素市場メカニズム)やJCM(二国間クレジット制度)を取り巻く環境は大きく動いています。 また、日本国内でもGX-ETS(排出量取引制度)の本格稼働に向けた制度設計が進んでおり、炭素クレジットの活用戦略は企業にとって重要な経営課題となっています。 本セミナーでは、環境省JCM推進室より髙橋室長補佐をお招きし、COP30の成果やパリ協定第6条関連の最新動向、JCMの進捗状況について解説いただきます。 また、サステナクラフトからは、JCMでのクレジット供給が期待されている中で、各国での6条関連の動きも踏まえた各国のJCMポテンシャルやボトルネックの分析についてお話しします。 加えて、SBTiの新たな企業ネットゼロ基準(Version 2)の2回目のパブコメの内容などもお伝えしたいと思います。

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